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『コードギアス・反逆のルルーシュ』非公認ファンブログ。二次創作SS(BL・女体化含)、イラスト、R18アリ。 pixivにて他ジャンルで活動中★

黒猫皇子と白狼騎士

子ルル・生着せ替えごっこv | main | この闇の深さを君に・その10
この闇の深さを君に・その11
【注】このお話のスザクは、『黒スザク』です。
   いつもの『理屈屋』だけど、他人に対する気遣いを忘れない、
   そんな『白スザク』をご希望の方は、他の記事をご覧になる
   ことをお勧めします。

   それでも、『黒』くは、なりきれなくて・・・


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 ぼくの中に、二つの感情が、渦を巻いていた。
 ひとつは、ルルーシュを守りたい、という気持ち。
 これは、七年前に、ルルーシュ自身によって、否定されてしまったのだけど。
 そして、もうひとつは。
 ルルーシュを滅茶苦茶にしてやりたい、という気持ち。
 七年前、ぼくの気持ちを否定した彼は、七年経った今、ナナリーとぼくにしか見せなかった顔を、他の人にも向けるようになっていた。
 それは。
 ぼくらが生きてきた『世界』とは全然違う、両親の庇護の下、ぬくぬくとした『世界』で生きてきた人間に向けられたものだった。


この闇の深さを君に -Seen.11-


 ぼくは、イライラとした気持ちを抱えたまま、軍へ戻ることになった。
 夜には、もう一度、顔を出して欲しい、と言付かっていたからだ。
 疲弊し切った今のルルーシュなら、先ほどの声の持ち主と、どうこう出来るわけでもないだろう。
 そう、自分に言い聞かせながら、階段の踊り場まで差し掛かったときだった。
「スザクさん・・・ですか?」
 電動車いすの機械音がした、と思ったら、ナナリーが、ぼくの所在を確かめてきた。
 ぼくは、薄暗がりの中から、ナナリーが突然、姿を現したことに、少々、驚きはしたけれど、そういえば、彼女は目が見えないのだから、辺りが明るかろうが暗かろうが、変わりはしないことを思い出し、彼女の誰何の声に答えることにした。
「うん。ルルーシュも眠ってるから、もう帰ろうと思ってね・・・」
 ぼくがそう言うと、ナナリーは、何故か、ほっとしたように息を吐き、こんなことを言ってきた。
「あぁ。・・・まだ、スザクさんが帰ってしまう前で、よかったですわ」
「・・・どういうことだい?」
 ぼくは、突然のナナリーの言葉に、疑問符を浮かべながら、彼女の話を聞くことにした。
 少しくらいなら、大丈夫だろう、と思ったのと、ナナリーが、どうしてもぼくに話を聞いてもらいたがっているような気がしたからだ。
 ナナリーは、少し、言葉を選ぶように間を置くと、話し始めた。
「あの時・・・スザクさんが仰ったことの意味を考えていたんです」
 ぼくは、ナナリーがどの時を指して、あの時と言ったのか、分からなかったけれど、まだ、ナナリーが言葉を続けたそうだったので、黙って聞くことにした。
「そうしたら、いつの間にか、眠ってしまっていて・・・昔の夢を見たんです。ほら、私たちが出会ったばかりのころの・・・」
 それは、ぼくが、ナナリーにしようとしてやめてしまった質問のかけらだった。
 ぼくは、ナナリーのタイミングの良さに驚きながらも、その『夢』に興味を持ち、それについての質問をした。
「どんな夢だったんだい?」
 すると、ナナリーは、少し迷うように首を振り、そして、口を開いた。
「初めて会ったとき、私、スザクさんのこと、怖い人だって思ってたんです」
 ぼくは、今さら、持ち出された話に、面食らってしまった。
 あぁ、確かにそうだったのだろう。
 あの時のぼくは、自分が『秘密基地』にしていた場所に、留学生だか何だか知らないけれど、ブリタニアの皇子と皇女が入り込んで来て、ぼくの『居場所』を奪われたことに、腹を立てていたのだから。
 ルルーシュとナナリーが、日本に来て、初めて宛がわれた場所は、それは汚くてみすぼらしい土蔵だった。
 でも、そこは、家にも学校にも、ぼく自身を見てくれる人が居なく、父さんの前では、いい子のフリをしてみたり、近所の人たちには、突っ張ってみせたりしていたぼくにとって、唯一、本当の自分で居られる場所だった。
 そこでは、誰も、ぼくに干渉しない、誰も、ぼくに強制しない。
 そこに居るときだけが、ぼくが、ぼくだけの世界で生きられる場所。
 だから、その場所を取られるということは、ぼくの世界を奪われるのと同義語だったのだ。
 そして、ぼくは、その怒りを、ルルーシュにぶつけたんだ。
 ナナリーに対して、嘘を教えていたルルーシュに、本当のことをぶちまけて。
 怒って殴りかかってきたルルーシュを、逆に殴り倒して・・・。
 ぼくは、あの時の自分を思い出して、今の自分と何も変わってないことに苦笑しながら、ナナリーにこう言った。
「あの時のことは、ぼくも悪かったと思ってる・・・。でも」
 ぼくが言葉を続けようとしたところで、ナナリーが、それを遮った。
「いいえ、そうじゃないんです・・・それから、いつの間にか、私・・・スザクさんのこと、怖くなくなってたんです。・・・それが、どうしてなのかな、と思いまして・・・」
 それは、間違いなく、ぼくが知りたかった『わだかまり』の根幹にある部分だった。
 ナナリーが、ぼくを受け入れたから、ぼくを、彼女の救出に向かわせた、と言ったルルーシュ。
 確かに、ナナリーは、最初のうち、ぼくを怖がっていたけれど、いつの間にか、普通に接してくれるようになっていた。
 だけど、どうしてそうなったのかまでは、ぼくには分からなかった。
 ぼくは、今さら、どうなるものでもない、と言い聞かせてきたはずなのに、その答えが、気になって仕方がなかった。
 そして。
「どうしてか、分かったの?」
 そう訊くと、ナナリーは、少しはにかむように笑い、ぼくが考えもしないことを言ったのだ。
「いつでしたか・・・お兄さまが転んでケガをされたとき。その時、お兄さまとスザクさんは、まるでケンカでもされてるみたいに、言い合っていたはずなのに、何故か、スザクさんと言い争ってるお兄さまが、とても楽しそうに思えたんですの。・・・それで」
「それで?」
「お兄さまは、スザクさんと仲良くなったのかなって・・・」
 そう思いまして、と言ったナナリーの言葉を、ぼくは、どこか遠くで聞いているような気分でいた。
「それからも、スザクさんと居ると、お兄さまは、とても楽しそうな雰囲気で・・・ですから、私、スザクさんのことは、怖くなくなったんだと思いますわ」
 ぼくは。
 ナナリーの言葉を、信じられない気持ちで聞いていた。
 だって。
 ルルーシュは、いつも、口が悪いぼくに、全力で切り返してきて、それで、どちらも譲らないものだから、最後には、いつもケンカ腰になってしまって、それなのに、楽しそうだって?
「そんなこと・・・」
 違う、と言い掛けたぼくに、ナナリーは、花がほころぶような笑顔をくれた。
 そして。
「だって、お兄さまは、大嫌いな方には、一言も口を利くことはしませんわ」
 妙に、確信に満ちた言葉が、ぼくの次の言葉を、完全に遮ってしまっていた。


 それじゃあ、と言って別れたナナリーが見えなくなっても、ぼくの心は、複雑な気持ちでいっぱいだった。
 ルルーシュは、ナナリーが、ぼくを受け入れたから、ぼくを信用した、みたいなことを言っていた。
 でも、ナナリーは、ルルーシュが、ぼくを受け入れたから、ぼくのことが怖くなくなった、みたいなことを言ったのだ。
 いったい、どちらが先で、どちらが後の感情だったのだろう?
 ううん、もう、そんなことは、どうだっていい。
 だって、そうだろう?
 二人は、自分の最も信頼する兄妹が、ぼくを受け入れたから、という理由を作って、ぼくを受け入れてくれたに過ぎないのだから。
 でも。
 だとしたら、ぼくは、何てバカバカしい勘違いをしていたというのだろう?
 ルルーシュとナナリー、二人ともが、ぼくを自分たちだけの世界へ招いてくれていたというのに、ぼくは、二人の間に入り込めないことを妬み、それに憤り、果てには、ルルーシュが名前と素性を偽ることによって、ようやく手にした『警戒しなくていい人間』にまで、嫉妬していたのだから。
 ぼくだけが、ルルーシュを全て知っているような、そんな脆い『優越感』を傘に着て。
 ぼくは、ほんの少し、彼らと『幼い時間』を共に過ごしただけだったのに。
 ぼくは、軍への道をとぼとぼと歩きながら、真っ暗になった空を見上げた。
 そして、自分が、ルルーシュにしてしまったことに、身を震わせる。

 違うんだ。
 本当は。
 傷つけたかったんじゃなくて。
 苦しめたかったんじゃなくて。
 本当は、いつだって、ぼくは、ルルーシュのことを・・・!

 それを伝えるには、ぼくは、あまりにも酷い仕打ちを、ルルーシュに繰り返し続けていた。

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| この闇の深さを君に(完結) | 14:00 | コメント:0
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