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『コードギアス・反逆のルルーシュ』非公認ファンブログ。二次創作SS(BL・女体化含)、イラスト、R18アリ。 pixivにて他ジャンルで活動中★

黒猫皇子と白狼騎士

君が僕にくれたもの・その7 | main | 君が僕にくれたもの・その5
君が僕にくれたもの・その6
パラレル・ヴァンパイア・スザきゅネタ。
いちごみるふぃーゆ』に同シリーズのSSと
ショートマンガが載っております。
お気に召しましたら、そちらもご覧くださいませv


※ このお話は、パラレルストーリーです。
  TVシリーズと同じ国名・地名・呼称・施設名が出ていても、
  少しずつ設定を変えてあります。
  登場人物に至っては、性別を変えられてしまったり、中には、
  人外にされてしまったりしている人も居ますので、
  そういうのがニガテな方は、ご注意ください。

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『君が僕にくれたもの』(6)


 その化け物の名前を、ぼくは知らない。
 元来、ぼくは、他人のことには無関心で、積極的に情報を取り入れようとはしていない。
 特に、他人の『名前』なんか、どうでもよく、誰かの名前を呼ぶこともなければ、自分の名前を呼ばれることもなかったのだ。
 もっとも、『枢木の』とぼくを呼ぶ連中は、ぼくに媚を売ったり、敵対しようとするヤツらばかりだったんだけど。
 だから、ぼくは、そいつの名前を呼ぶこともなく、状況だけを冷静に分析する。
 ナナリーは、化け物の髪の毛に拘束されて、動けない。
 このまま、攻撃をすれば、化け物は、間違いなくナナリーを盾にするだろう。
 ルルーシュは、必死の形相で、化け物に向かって叫んだ。
「ナナリーを離せっ」
 離せ、と言われて、離すバカも居ないだろうに、ルルーシュの様子は、真剣だった。
 そういえば、さっき、彼女が、ぼくに対して酷い誤解をしたときも、ナナリー絡みだったような気がする。
 なるほどね。
 この冷徹な『策士』は、妹が絡むと、冷静さを欠くのだろう。
 ぼくは、そう思った。
 となれば、まずは、ナナリーを助け出すことが、先決か。
 そんなことをしたら、ぼくが『人間』を助けたことになってしまうが、そんなことはどうでもいい。
 こうなったら、乗りかかった船だ。
 ぼくは、手の平に思念を集中させると、その化け物に向かって、全力で突進する。
「この・・・っ、待て!」
 ルルーシュの叫び声が聞こえたときには、ぼくは、化け物がナナリーに巻きつけていた髪を引きちぎっていた。
 ぼくの腕の中に、ナナリーが落ちてくる。
 ふわり、と薄茶色の髪が揺れ、トン、と重みがぼくの腕に落ちる様は、どこか、彼女が、この世のものでないような気を、ぼくに起こさせた。
 言うなれば、『天使』か。
 ぼくは、頭を振る。
 ぼくの『天使』は、あの人だけだ。
 真っ赤に染まった、血染めの・・・天使。
「あ・・・ありがとうございます」
 ナナリーは、自分の置かれている状況が、なんとなくわかるのか、少し青ざめていた。
「バカッ!油断するなっ!」
 ルルーシュの声が、ぼくの耳に届く。
 ぼくは、その声を、うるさいな、と思いながら、ナナリーを庇いつつ、化け物に向かって衝撃波を繰り出す。
 さっき、右手に集めておいたエナジーだった。
 断末魔の悲鳴を上げて、その化け物は、消えた。
 ぼくは、化け物が簡単に消えてしまったことに、不審を抱く。
 一撃で仕留めるだけの力は、出さなかったはずだ。
 そんなことをしたら、反作用の衝撃から、防御力の低いナナリーを庇うために、盾となるものが必要になってしまう。
 力の無駄遣いだ。
 ぼくは、ナナリーをルルーシュに渡すと、周囲の気配を探った。
 でも、ルルーシュが、ナナリーを車いすに座らせても、化け物は、再び姿を現すことはなかった。
 一匹だけでは敵わないと知り、逃げたのだろうか?
 ルルーシュは、何かを思案するような表情をすると、こう言った。
「あのモンスターに仲間がいるとしたら・・・オマエ、マズイことをしたんじゃないのか・・・?」
「そうかもな」
 ぼくは、あっさり言い捨てて、構えを取る。
 多分、消えた化け物は、仲間を呼びに行ったのだろう。
 そうだとすれば、『人間』を助けたぼくは、そいつらにとっては『裏切り者』か。
 もう、そんなことは、どっちだっていい。
 ぼくは、ぼくの思う通りにするだけだ。
 例え、それで、命を落とすことになっても。
 相変わらず、背中の傷は、鈍い痛みを訴えており、そろそろ、エナジーを採らないと、意識が危ういところまで来ている。
 でも、ぼくは、唇を噛み締めて、その感覚をやり過ごした。
 今、ここで、意識を喪えば、もう一人のぼくが、この姉妹を襲うだろう。
 ぼくの中の『狂気』。
 生きるために、手段を選ばない『ぼく』が―――。
「おい」
 ルルーシュが、ぼくに、呼びかける。
「・・・何?」
 一瞬、反応が遅れた。
 それは、完全に気が散っているぼくには、当然のことだったけど、ルルーシュの目には、奇異に映ったらしい。
 ルルーシュは、そんなぼくを、すがめるような視線で見ると、ぼくの手首を掴み、自分ののど元へ持っていく。
「・・・二度も、ナナリーを助けてもらったんだ。・・・傷くらい、直しておけ」
 ルルーシュなりの『礼』のつもりなのだろう、指先から、温かいものが流れ込んでくる。
 それは、術者のエナジーだった。
「何をするっ・・・?!」
 ぼくは、反射的に、ルルーシュの手を払いのけていた。
 久しぶりに触れたエナジーは、温かく優しく、ぼくを誘惑しようとする。
 でも、今、それを取り込もうとすれば、ルルーシュもナナリーも無事では済まないだろう。
 それほどまでに、ぼくは、消耗しきっていた。
 ルルーシュは、弾かれた手をしばらく見つめていたけど、やがて、こちらを向き、怒気を露わにする。
「それは、こっちのセリフだっ・・・オマエはっ」
 一瞬、ルルーシュの顔が、くしゃり、と歪んだような気がした。

 怒っているんじゃないのか・・・?

 人間なら、自分の厚意を無碍にされて、怒らないはずがない。
 しかし、ルルーシュの態度は、それとは違う気がした。
「泣いてるんですか?・・・お姉さま」
 ナナリーが、ルルーシュの気持ちを代弁する。

 傷付けているのか・・・?
 ぼくが、ルルーシュを。
 でも、ぼくは。

 ぼくが、胸の内で葛藤している間に、先の化け物が、他の妖怪たちを引き連れて来たようだった。

「枢木のが裏切った、という話は、本当だったみたいだな」
「コロセ」
「今なら、弱っているから、我らだけでも」
「コロシテシマエ」
「裏切り者が、人間などに加担した」
「ウラギリモノハコロシテシマエ」

 多勢に無勢、こちらは、非戦闘能力者のナナリーを庇っての、かなり、不利な状況だった。
 でも、ぼくの心は、不思議と凪いでいた。
 それは。
 あの人が居ない『この世界』に、別れを告げられるチャンスかもしれないからだった。


(スザきゅ・・・アンタ、やる気があるのか、ないのか。。。)

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