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『コードギアス・反逆のルルーシュ』非公認ファンブログ。二次創作SS(BL・女体化含)、イラスト、R18アリ。 pixivにて他ジャンルで活動中★

黒猫皇子と白狼騎士

君が僕にくれたもの・その8 | main | 君が僕にくれたもの・その6
君が僕にくれたもの・その7
パラレル・ヴァンパイア・スザきゅネタ。
いちごみるふぃーゆ』に同シリーズのSSと
ショートマンガが載っております。
お気に召しましたら、そちらもご覧くださいませv


※ このお話は、パラレルストーリーです。
  TVシリーズと同じ国名・地名・呼称・施設名が出ていても、
  少しずつ設定を変えてあります。
  登場人物に至っては、性別を変えられてしまったり、中には、
  人外にされてしまったりしている人も居ますので、
  そういうのがニガテな方は、ご注意ください。

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『君が僕にくれたもの』(7)


「・・・どういうことですの?」
 一人、状況を察することが出来ないナナリーが、そう言った。
 ぼくは、ナナリーに、妖怪たちが集まってきたことを告げると、ルルーシュの方へ向き直る。
「妖怪たちの狙いは、オレだ・・・オレがヤツらを引き付けておくから、オマエは、ヤツらをまとめて片付ける方法でも考えておけ・・・それが出来ないなら、さっさと逃げるんだな」
「!・・・枢木さん?!」
 ナナリーが、何かに気付いたように、ぼくのあだ名・・・正確には違うのだが・・・を呼んだ。
 ふと見れば、ナナリーが、ぼくの着物の袖を掴んでいる。
 ぼくは、その手をそっと外すと、二人に背を向けた。
「・・・お姉さま! 枢木さんは、まさか・・・!」
 今まで黙っていたルルーシュが、口を開いた。
「あのバカが!・・・オレの力を見くびるんじゃないっ」
 怒りを露わにしたルルーシュの声を背に、ぼくは、高らかに叫んだ。
「術者のエナジーは、オレだけのものだ!! 欲しかったら、オレを倒してから、取ってみろ!!」

 ぼくは、群れを成していた妖怪たちの正面から、突っ込んでいった。
 最初に向かってきたのは、先ほど衝撃波を喰らわした化け物によく似ていた。
 多分、仲間か何かだったのだろう。
 そいつを一撃で倒すと、今度は、両側から二匹で、ぼくを挟み撃ちにしようとしてくる。
 全く・・・パターン通りか。
 そんなことを思っている間に、ぼくは、上へ飛びながら、下方へ衝撃波の雨を降らせる。
 力のムダ使いばかりさせられる『消耗戦』は、ぼくの残りわずかとなった体力や気力を削ぐのには充分だった。

 そして、完全に意識が遠のき始めたころ、ぼくは、自分を見失ってしまった。


 あぁ、そうだね。
 キミが傍に居てくれるなら、ぼくは死ぬことも怖くない。

 真っ赤に染まったのは、白い法衣。
 死なないで、と呟いた彼女は、ぼくの額に手をかざし、そのまま、何かの印を切ったのだ。

 気が付いたときには、青ざめて生気を喪った彼女が、ぼくの傍らで横たわっていた。

 それが、ぼくが見た『天使』の最期だった。


「どいてろ、枢木の!」
 甲高い、子供の声が、ぼくのあだ名を呼び、命令する。
 それは、何匹目の妖怪を引き裂いたあとだっただろう?
 ぼくは、その言葉に反応するかのように、横へ逸れると、続いて、ルルーシュが頭上に剣を掲げた。

「これより、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアの名において、この地に結界を張る。死滅すべきは、人に害を成すモンスター、追い出すべきは、人が敵うはずのないデーモン。この地を『エリア11』とし、我が命、我が血が果てるまで、この結界が永劫なるものと知れ!」

 高らかに上がった声は、ぼくには、さっぱり意味の取れない言葉を紡いだけど、ルルーシュの宣言が終わったあとには、目も眩むばかりの光が辺りを包み、ぼくの意識も、そこで途切れていた。


「お姉さま?・・・どうして、枢木さんは、死ぬこともなく、結界の外へ追い出されることもなかったのですか?」
 小さな声が、どこか遠くで聞こえていた。
 そして、その声より幾分か低めの、それでも子供の声。
「今のコイツは、人に害を成すことも出来なければ、人の力で倒せないこともない・・・だから、結界の呪文からは外されたのさ・・・そのように言霊をかけた」
「まぁ、それでは・・・!」
「そう、コイツは、オマエを二度も助けてくれた・・・そして、自分の命より、オレたちが助かることを優先させた・・・『騎士』としては、申し分ないだろう?」
 ぼくは、はっきりとしていく意識の中で、初めて、ルルーシュの柔らかい声を聞いたような気がした。
「しかし・・・その代わり、今後、『言霊』にかからなかったモンスターたちが、不完全な結界の狭間から出現するだろう・・・オレの力不足だ」
「お姉さま・・・」
「・・・まぁ、これも計算のうちだ・・・それより」
 ぼくが、まだ目を開けられずにいると、腹部に衝撃があり、ぼくは、悲鳴と共に飛び起きた。
「ぐぇっ!」
「・・・品がないな」
 冷めた視線で、ぼくを見下ろした術者は、ぼくの腹の上に乗せた足をどけると、胸倉を掴み寄せ、先と同じセリフを言った。
「最後のチャンスだ・・・オマエのその力、人のために使うのなら、その糧をオレが与えよう」
『血の契約』と自らが言い、そして、ぼくに拒否されたばかりの言葉を繰り返す。
 ぼくは、信じられないものを見る気持ちで、その子供を見ていた。
 ルルーシュは、ムキになっているのか、もう一度、ぼくに『ナイトメア』になることを迫っていた。
「簡単なことだ・・・この手を取り、忠誠を誓えばいい・・・そうすれば、オマエは、人を殺すことも、傷つけることもなく、生き永らえることが出来る・・・オレの『ナイトメア』になれ・・・必要だろう? オマエには、オレが」
 ぼくは、身体が震え出すのを、止めることが出来なかった。
 何故なら、それは、ルルーシュが、ぼくをそう出来ないように縛るだけで、何の解決にもなっていない。
 それに、生き永らえることは、ぼくの望みじゃない。
「・・・誓うか?」
 疑問形を取りながらも、命令のような口調で言われた言葉に、ぼくは、言い返した。
「必要ない」
 ぼくは、もう、このまま目を閉じてしまいたい。
 さっき、おぼろげに聞いた会話では、今のぼくは、人に害を成すことは出来ないらしい。
 それなら、もう、もう一人のぼくが、ルルーシュたちを襲うこともないだろうし、このまま、静かに『生』を終わることが出来るはずだ。
「嘘、だな」
 ルルーシュは、ぼくの思考を止めさせるような迫力で、その言葉を吐いた。

 キミなんかに、何が分かる?
 ぼくが、今まで、どんな気持ちで人を殺め、そのエナジーを『糧』としてきたか。
 どんなに、我慢しようとしても、駄目だった。
 人間と同じ食べ物は、ぼくの体内を素通りし、消化も吸収もあったものじゃない。
 ぼくは、人を襲って、そのエナジーを奪わなくては、命を繋ぐことも出来なかった。
 そのまま、死ぬことも考えたけれど、身体は、老いることもなく、ケガをしても、すぐに治ってしまう。
 オマケに、空腹に倒れたぼくは、知らず、人間を襲っていた。
 そのうち、殺さなくてもエナジーを採れることが分かったけど、その頃には、『枢木神社のヌシ』は、人を襲い、近寄る妖怪すらも殺す凶暴な『化け物』として、世に知れ渡っていた。
 ぼくは、降りかかる火の粉を払い、ただ、自分が生きるための『糧』を手に入れていたに過ぎなかったのに。
 鳴り止まないシュプレヒコール。
 誤解が誤解を呼び、ぼくは、誰にも本当の名前を呼んでもらえなくなった。
 あぁ、そうさ。
 忘れてしまったよ、自分しか居ない『世界』に、本当の名前なんか必要ないじゃないか!
 もう、どうでもいい。

「だって・・・生きていても、仕方がないんだ・・・あの人が・・・オレの『天使』が死んでから・・・ オレは、抜け殻のように、生き永らえてきた・・・あの人が愛した『人』を糧として・・・そんなオレに、どうして、生きる資格がある?」
 ぼくは、今まで、誰にも言うことがなかった、ぼくの気持ちを、ルルーシュの前で吐露していた。
 胸にあったのは、孤独と絶望。
 死ぬことも、生きることも出来ず、ただ、退屈な日々を送り、息をすることも億劫になる毎日。
 それならば、いっそ、このまま・・・!
 あの人の居る場所に辿り着けなくても、あの人に誇れる『死』を迎えることが出来るのなら・・・。
「お姉さま・・・」
 ナナリーが、ルルーシュを呼ぶ。
「あぁ、分かってる」
 小さくナナリーに返したルルーシュは、いったい、何を分かっているというのか。
 いや、もう、そんなことなんか、どうでもいいんだ。
 どうでも・・・。
「オマエは、誰よりも、生きたかったんだ・・・例え、誰に罵られようとも、誰の命を犠牲にしようとも!」
 ルルーシュの言葉は、ぼくの言ったこととは、真逆の答だった。
「何だって?!」
 ぼくは、それだけは違う、と言いたかった。
 でも、ルルーシュが言葉を続ける方が、一瞬だけ早かった。
「だから、オマエは、ここに居る・・・・・・あらゆる人の屍を踏み越えて、ここに存在しているんだ!!」
「でも、オレはっ!」
 ルルーシュの言葉を遮ろうとしたぼくの言葉を、またルルーシュが遮った。
「誓え!・・・そして、生きろ!」
 ルルーシュは、さっきまで、氷のように冷たかった顔を、クシャクシャに歪ませて、そう言った。
 その顔が、泣いているように見えたのは、気のせいか。
「枢木さん・・・!」
 ナナリーが、ぼくを呼んだ。
「ナナリー・・・?」
 ナナリーは、車いすから転げ落ちるように降りると、ぼくの手を探り当て、ギュッと握りしめた。
「私は・・・お姉さまほど力は強くありませんが、これくらいのことは出来ます・・・どうか、どうか、お姉さまの言葉を聴いてあげてください」
 握られた手が、温かい感触をもたらし、ぼくは、それを拒絶することも出来ず、ナナリーの言葉を聴いていた。
「・・・お姉さまは、たった独りで、日本という国へ行くことを決意されました・・・私は、無理を言って、ついてきただけです・・・お姉さまは、ずっと、誰かを探していて、その方を自分のナイトメアにするって言って、全てのモンスターを退治してきました・・・枢木さん、あなたが初めてなんです・・・お姉さまがすぐに倒さなかったモンスターは・・・だからっ」
 ナナリーは、そこまで言うと、その場に崩れるように意識を喪った。
 気付けば、ぼくの背中の傷が完治していた。
 ナナリーは、これから死のうとしているぼくのケガを治したというのか。

 そんなことをして、いったい、何になる?

 ぼくは、何故か取り乱さなかったルルーシュの顔を、じっと覗き込んだ。
「・・・それが、オマエが犠牲にしてきた者たちへの『償い』になる」
 ルルーシュは、顔色を蒼白にし、何かを堪えるように眉根を引き寄せた。
 そして、震える手で、ぼくの頬に触れる。
 ポウ、と温かいものが、ぼくに流れ込み、それが、ぼくの力を取り戻してくれるのを、今度は、拒否することが出来なかった。
「でも、ナナリーは・・・?」
 ぼくは、どんな言葉を続けようとしたのだろう?
 ただ、ルルーシュが冷静さを欠くくらい、大切にしているはずのナナリーが、目の前で倒れているのに、彼女が動こうとしないのが不満なのか。
 それとも、ぼくは、本気で、ナナリーの心配でもしてるのか。
 ぼくは、自分の中にある気持ちが、分からなかった。
 ルルーシュは、ぼくから離れ、のろのろとした動作でナナリーを抱き起こすと、車いすに座らせる。
「・・・治癒の力は使うな、と言っただろう?」
「ごめんなさい・・・でも、もし、枢木さんが死んでしまったら・・・お姉さまの大事な方が・・・」
 ナナリーは無事だったみたいだけど、姉妹の会話は、二人だけにしか分からなく、ぼくは、彼女が力を使い果たして、倒れたことだけを知った。
 ぼくは、どうして、ルルーシュとナナリーが、こうまでして、ぼくを生かそうとするのか、さっぱり分からなかった。
 でも、ぼくは、今、死んでしまったら、ぼくのケガを治したナナリーの行為も、泣きそうな顔をして、生きろ、と言ったルルーシュの言葉も、全部無駄にしてしまうことだけは分かってしまったんだ。
 そして、それだけは嫌だ、そう思ってしまったんだ。
 ぼくは、ルルーシュに訊いた。
「・・・誓いの言葉は?」
「枢木さん?!」
 ナナリーが、驚きの声を上げる。
 ルルーシュは、静かに言った。
「そのようなもの・・・式典に出るバカどもにでも聴かせてやれ」
 これが、十歳の子供が吐く言葉だろうか?
 さっきまで、泣きそうな顔をして、ぼくを見ていたくせに。
 不遜な態度の術者は、そんなことなど、おくびにも出さず、ぼくに右手の甲を差し出した。
「お姉さまはね、嬉しいことがあると、ぶっきらぼうになるんですのよ」
 ナナリーが、楽しそうに笑う。
 ルルーシュは、相変わらず、冷たい表情の仮面を被り、ぼくを見下ろした。
 でも、今なら、分かる気がする。
 これが、ルルーシュの精一杯なんだってことが。

 だって、ぼくに真っ直ぐ差し出された手は、受け取る者が居ない今、こんなに震えているじゃないか。

 あぁ、ぼくは、捕まってしまった。
 この、風変わりなぼくにピッタリの、風変わりな姉妹に。
 でも、それは、決して不快などではなく、ぼくを、どこか、楽しい気持ちにさせてくれる。
 ぼくは、差し出された手を取り、その甲へ口付けた。
「オレは・・・ぼくは、海の向こうの習慣なんて知らないから、自分の言葉で言うよ」
 揺ぎ無い瞳に、ぼくは誓う。
「・・・ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア殿下。殿下の御心のままに」

(わぉ☆)

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