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『コードギアス・反逆のルルーシュ』非公認ファンブログ。二次創作SS(BL・女体化含)、イラスト、R18アリ。 pixivにて他ジャンルで活動中★

黒猫皇子と白狼騎士

ゼロ・レクイエム・その8 | main | ナナリーの前でMをカミングアウトするルルーシュ★
ゼロ・レクイエム・その7
願ったのは、ささやかな『幸福』。
願ったのは、『優しい時間』。
ずっとそばに居てもらうためにした『願い』は、
逆に、兄を私から遠ざけた。

「もし、兄がしたことが『間違い』であるのなら。
  ―――その『罪』は、私と共にあるのです。」

※ このお話は、R18要素を含みます。
  ニガテな方、18歳未満の方は、ご注意ください。
  大丈夫な方のみ、続きをご覧くださいませv


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ゼロ・レクイエム(7)

 ここに、一人の少女が居る。
 少女に持たされたのは、一本の剣(つるぎ)。
 正確には、剣の形をした爆弾の発射装置。
 これを、少女に渡した者は、この剣を『ダモクレスの鍵』と呼んでいたが・・・。
 大量殺戮兵器・『フレイヤ』の発射装置であることは、少女も承知のことだった。
 何故なら、それを持たせて欲しいと頼んだのは、他ならぬ少女自身であったから・・・。
 少女の名前を、ナナリーという。

 ナナリーが、これを手にしたのは、理由があった。
 それは、哀しみ。
 たった一人で、自分を庇い続けてくれた兄・ルルーシュが、長い間、自分に『嘘』を吐いていたということ。
『ゼロ』という名の仮面を被り、兄が犯した『罪』は、決して赦されるものではないだろう。
 兄は、自分のため、とは言ったが、それが『嘘』であることは、少女にもよく判った。
 確かに、その方法は、兄自身の考えのもとに行なわれたことではあったが、元はといえば、一人では歩くことも、物を見ることも出来なかった自分を庇ってきた『結果』なのだ。
 もう少し。
 そう、もう少し自分がしっかりしていたならば・・・兄は、ブリタニアを憎むことはあっても、世界を支配しようなどとは考えなかったかもしれない。
 これは、自分に課せられた『罪』なのだ。
 ナナリーは、震える手で、ダモクレスの鍵を握り締めた。
 もう一人の兄・シュナイゼルが、この鍵を渡してくれてから、自分は、何度、この発射スイッチを押したことだろう。
 その度、失われていく『命』は、あっけなくはあったが、決して軽いものではない。
 しかし、どんなに怖くとも、もう逃げ出すことは出来ないのだ。
 逃げない、と決めたから。
 ナナリーの胸にあるものは、兄・ルルーシュを止めること。
 出来ることは限られているが、自分にだって、ルルーシュを止めることくらい出来るはずだ。
 そう。
 それが、例え、この手で、愛しい兄を殺めることになったとしても・・・!


 のちに残る、セシルの記録によれば、それは『19.04秒の奇蹟』と呼ばれることになる。
 しかし、今、目の前に繰り広げられた光景は、そんな一言では表せないものであった。
 今まで、どんな武器も防御も役に立たず、閃光に包まれたものは跡形もなく消え去るのみだった『フレイヤ』という名の悪魔の兵器を、たった二機のナイトメアが、消滅させてしまったのだ。
 もちろん、その奇蹟を起こすには、『フレイヤ』の開発者であるニーナ・アインシュタインの量子理論、元・第二皇子・シュナイゼルのお抱えだった『キャメロット』の研究メンバーの協力があってこその話ではあるが。
 そして、黒いナイトメア・蜃気楼に搭載された量子演算プログラムに、それを駆使しながら、刻々と変化するフレイヤ弾頭の解析を19秒以内で行なったルルーシュの手腕と、何より、コンマ04秒でエリミネーターを打ち込んだ白いナイトメア・ランスロット・アルビオンの機体性能とデヴァイサー・スザクの操縦の腕。
 どれか一つでも欠けていれば、この『奇蹟』は成し得なかっただろう。
 しかし、それもまた、彼らの『目的』にとっては、一つの『プロセス』でしかなかった。


 ダモクレス、というのは、非常に興味深い造りをしており、要塞本体を覆うバリアは、フレイヤの発射口付近が、発射に応じて解除される仕組みになっている。
 また、フレイヤの発射口は、要塞の最下部にあり、通常、真下に向けてフレイヤが発射されるため、その要塞がフレイヤを使用しているときに、外側から見ることが出来れば、ちょうど、地上に大きな剣を突き立てている形に見えるという。
 それが、この要塞から発射されるフレイヤを『ダモクレスの剣』と呼ぶようになった所以なのだろう。
 しかしながら、この構造を利用し、フレイヤの発射時を狙って、ダモクレス内部に乗り込もう、などと考える人間は、ルルーシュぐらいのものだろう。
 先に書いた通り、フレイヤを無効化出来なければ、その閃光と共に消えるのみなのだ。
 もし、そんな命知らずが居るとしたら、それは、神か悪魔・・・ルルーシュは、自らを『魔王』と称し、この兵器を手中に収めようとしていた。
 途中、蜃気楼を行動不能に追いやったトリスタンをスザクに任せ、ルルーシュは、ある場所を目指して走っていた。
 シュナイゼルの行きそうな場所は、見当が付いている。
 あの、自ら手を汚さない男は、戦局がどう転んでも、自分自身には、何の被害も及ばないように策を練っているはずだ。
 かつて、キュウシュウ戦役と呼ばれた戦場で、スザクが乗るランスロットを囮に使い、のちにコーネリアが率いる本隊を乗り込ませたように。
 ならば、敵軍の最重要人物の侵入を許したこの要塞を、シュナイゼルが棄てることは、容易に想像出来た。
 要塞ごとルルーシュらを爆破させ、ルルーシュらの『柩』とするのだろう、このダモクレスを。
 ナナリーを救出するまで、ルルーシュとスザクが、この要塞から出ないであろうことを逆手にとって、自分たちだけ脱出を図る。
 シュナイゼルが考えそうなことだ。
 ルルーシュは、解かり過ぎるくらい解かるシュナイゼルの策に舌打ちをすると、脱出艇が格納されている場所へと向かった。
 どうやら、ルルーシュの方が早く、こちらへ辿り着いたようだ。
 ルルーシュは、最強の敵・シュナイゼルを迎えるべく、息を整えた。
 同じ時、別の部屋で、ルルーシュに取って最も恐れるべき『敵』が目を開こうとしていることなど、露程も知らずに。


 何を支払えば、兄を返してくれますか?
 私のたった一つの『願い』は、私の傍らで、兄が笑っていてくれること。
 それだけでした。
 そして、そのためには、『優しい世界』が必要でした。
 何故なら、優しくない世界では、兄は、私を守るため、必死で周りを警戒ばかりしていたから。

 何を支払えば、兄の『罪』を赦してくれますか?
 兄が約束してくれた『優しい世界』。
 それは、多くの『犠牲』の上にしか成り立たないものだったのでしょうか?
 もし、私の存在が、兄を追い込んだというのなら。
 私は、どうすれば、兄に報いることが出来るのでしょうか?

 眩い世界には、兄の姿はなく、美しい花が咲き乱れるばかり。
 手にしたのは、願いの折鶴ではなく、破壊の剣。
 人殺しの『罪』を共にした兄と妹が、戦場の上空で対峙する。
 それは、決してどちらも望まなかった、『再会』の形―――。


 スザクは、知らなかったことではあるが、カレンとスザクの因縁は、実は、シンジュク事変から続いていた。
 それを言うのなら、玉城とて、シンジュク事変の時代から、白いナイトメアに倒され続けていたのだが、今は触れずにおこう。
 カレンは、ルルーシュが行動を起こしたときから共に在り、本人が預かり知らぬ部分でも、常にルルーシュのために戦っていた。
 だから、ルルーシュに置いていかれたカレンの憤りは、かなりのものであろう。
 そして、今のルルーシュの行為の意味を知らされていない彼女は、かつてのスザクだった。
 スザクは、そう思った。
 ユーフェミアを喪ったスザクは、ルルーシュの『裏切り』を赦せなかった。
 赦したくはなかった。
 最期まで、息を引き取る直前まで、『行政特区・日本』を案じていた少女。
 それは、ユーフェミアが大好きな人たちと大好きだった人たちが、笑顔でいられるための政策だった。
 おそらく、ユーフェミアは、ゼロがルルーシュであることを知っていたのだろう。
 だから、ゼロの『罪』をなかったことにし、どんな国籍の人でも住める『自由の国』を作ろうとした。
 それを、メチャクチャにしたゼロを、ルルーシュを赦してはいけない、と思っていた。
 ルルーシュが、自分の『友だち』だったからこそ、彼を赦せなかった。
 自分の・・・ユーフェミアの『好意』を踏みにじったルルーシュを、赦したくはなかった。
 そして、今のカレンも・・・。

 カレンが、スザクに言った。
「そう・・・そんなに『力』が欲しいの?」

 違う。
『力』など、ただの『手段』に過ぎない。
 本当に欲しいものは・・・!

「・・・だったら」
「・・・『だったら』?」
 スザクは、カレンの言葉にオウム返しに答える。
 互いに、武器を構えた。
「あなたは、ここにいちゃいけない。あなたを倒し・・・ルルーシュを止める!」
 カレンの紅蓮・聖天八極式が、咆哮を上げる。
「それは、させない!」
 スザクは『ギアス』を発動させた。

 スザクは、カレンの攻撃を受け、それに対抗しながら考える。
 これで、本当に、『憎しみ』が消えるのか?
 スザクには、今のカレンが、泣いているように見えた。
 あの時、ユーフェミアを喪った自分が泣いていたように。
 涙枯れてなお、心が泣いていたように。
『ゼロ』を喪った・・・ルルーシュに置き去りにされたカレンが、泣いているように思えた。
 カレンの『哀しみ』と『怒り』が『憎悪』の炎となって、ランスロットを襲う。
 今、スザクが感じていることが本当ならば、『憎しみ』を消したところで、それは、一時しのぎでしかないのではないか?
『哀しみ』を消さなければ・・・それを乗り越えられる『力』を、一人一人が持てなければ、『憎しみ』はまた生まれるのではないか?
 カレンが叫ぶ。
「アンタに『正義』さえあれば――ーッ!!」

『正義』など、どこにもない。
 残されたのは、どうしようもない『哀しみ』とやりきれなさだけ―――。


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