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『コードギアス・反逆のルルーシュ』非公認ファンブログ。二次創作SS(BL・女体化含)、イラスト、R18アリ。 pixivにて他ジャンルで活動中★

黒猫皇子と白狼騎士

ゼロ・レクイエム・その9 | main | ゼロ・レクイエム・その7
ゼロ・レクイエム・その8
「ナナリー・・・お前は、もう立派に自分の考えで生きている。
         だからこそ、俺も、俺の道を進むことが出来る」

「私が、目を開いたのは、お兄さまのため。
 私が、自分で生きようと思ったのは、お兄さまのため。
 ・・・いいえ、違います。本当は。
 私は、ただ、お兄さまの喜ぶ顔が見たかっただけなんです」

「『哀しみ』を置き去りにして、自分だけ居なくなるなんて、
              それは、ただの『自己満足』だ!!」

※ このお話は、R18要素を含みます。
  ニガテな方、18歳未満の方は、ご注意ください。
  大丈夫な方のみ、続きをご覧くださいませv


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ゼロ・レクイエム(8)

 美しい花園は、この要塞には、似つかわしくなかった。
 そして、その中心に座る少女も・・・似つかわしくなかった。
 以前、太平洋沖で、エリア11の総督就任前のナナリーを迎えにいったときも、ルルーシュはそう思っていた。
 ナナリーは、『ゼロ』を・・・ルルーシュの行動を、受け入れはしない、と目の前に突きつけられてさえ、ルルーシュは諦めることなど出来なかった。
 あの時と同じ、花園で震える少女は、自分が庇うべき『妹』である、と。
 そう信じていた。
 必ず、迎えにいく、と。
 ずっと、そう思っていた。
 しかし、二度めの対峙である。
 ナナリーは、ルルーシュの顔をしっかりと見据えると、こう言った。
「それが、人殺しの顔なのですね」
と。
 ルルーシュが、答えに窮していると、ナナリーの表情が、さらに固くなる。
「おそらく、私も同じ顔をしているのでしょうね」
 それは、ナナリーが、自分を『人殺し』と言っているような気がして、ルルーシュは、胸の中にかすかな痛みを覚えた。
「では・・・やはり、今までのフレイヤは、お前が・・・」
 ルルーシュの問いかけに、ナナリーが、はい、と頷く。
「止めるつもりでした、お兄さまを。・・・例え、お兄さまが死ぬことになったとしても・・・!」
 それが、ナナリーがルルーシュの『敵』となった理由だった。
 ナナリーは、知っていただろうか?
 ルルーシュとスザクが、ダモクレスに乗り込む前、フレイヤの照準は、ルルーシュの蜃気楼に合わせられていたことを。
 いや、シュナイゼルのことだから、直接、ナナリーにそれを伝えることはしなかっただろう。
 しかし、『可能性』としては、充分、考えられることだった。
 シュナイゼルが、自分の言う『世界平和』の障害になるであろう、ルルーシュたちを直接消すことだって考えられる。
 それでも、ナナリーは、発射スイッチを押しただろうか?
 ルルーシュは、押しただろう、と思った。
 目の前に座するは、庇うべき『妹』ではなく、一人の『人間』だった。
 自分で物を見、考えて行動することの出来る、一人の人間。
 ルルーシュは、ナナリーの言葉を聞いていた。
「・・・ですから、お兄さまにフレイヤを・・・このダモクレスの鍵をお渡しすることは出来ません。お兄さまが・・・ギアスを使われたとしても!!」

 ギアスを使う。
 ナナリーに。

 それは、ルルーシュが、この『力』を手に入れたときから、ずっと考えていたことだった。
『絶対遵守』の力が、無意識の『自己防衛本能』を上回り、『自害』さえも命じられる『力』ならば、精神的なショックで見えなくなったナナリーの目を治すことが出来るかもしれない。
 ルルーシュが一言命じれば、ナナリーは閉じていたまぶたを開くかもしれない。
 しかし、『ギアス』のスペックについて調べていくうちに、この『力』は、相手の目を見て命令出来なければ、効果がないことに気付かされた。
 それでは、ナナリーに『ギアス』を使うことは出来ない。
 しかし、今のナナリーなら・・・。
 目を開いたナナリーなら、ギアスを掛けることが出来る。
 ルルーシュは、ナナリーに提示された『選択肢』に戸惑いを覚えた。
 それは、誰もが冒すことの出来ない『絶対領域』。
 自分の中の、最も大切にしたい部分―――それは『矜持』であったり『禁忌』と呼ばれたりするが―――それを冒すことに他ならないからだ。
 かつて、スザクに対してそれをしたことを、ルルーシュは今でも苦い思いで受け止めている。
 それを、ナナリーにまでしたら、自分は、何のために『世界』を敵に回してまで、『悪』を演じることを選び続けて来たのか。
 しかし、話し合いで、ナナリーがダモクレスの鍵を渡してはくれないだろうことは、ルルーシュ自身が一番よく知っていた。
 ナナリーは、今まで、常に誰かに庇ってもらっている、助けてもらっている、という『自責』と『感謝』の気持ちから、『自分』というものを前面に出すことはしなかったが、本当は、意志がはっきりとした子供だった。
 ナナリーの気持ちが納得しない場合は、ルルーシュの『注意』だって、すぐには聞いてはもらえない。
 ユーフェミアのような、言葉の『魔法』を使う者ならともかく、頭ごなしに言うのでは、ナナリーの気持ちを動かすのは、難しいだろう。
 しかし、それでも、やらなければならなかった。
 ルルーシュは、最後の『砦』を守るべく、口を開いた。


 ルルーシュもスザクも知らないことであるが、同じ時、違う場所で、彼らは同じ言葉を吐いていた。
「思い通りにならない、『世界』は」
「こんなにも『世界』は、思い通りにならない」
 そして、ナナリーもカレンも知らないことではあるが、それに対する答えを同時に吐いていた。
「だから、思い通りにしようっていうの?!・・・それは」
「それは、卑劣なのです。・・・人の心を捻じ曲げ、尊厳を踏みにじる『ギアス』は」
 誰もが、それぞれ自分たちの守りたいもののために戦い、そして、その心はよく似ていたというのに、立場の違いが、彼らを対抗させ、互いに刃を向き合わせていた。
 いや、意志のある者と戦えた者たちは、まだマシだったのかもしれない。
 何故なら、現在、戦場に出ているブリタニア軍は、スザク、C.C.、ジェレミアを除き、そのほとんどがルルーシュの『ギアス』によって『奴隷』にされた兵士であったからだ。
 そして、ナナリーとカレンは、そんなルルーシュらの行為を『卑劣』と呼んだ。
 ルルーシュもスザクも、そんなことは百も承知だった。
 しかし、演じなければならなかった。
『悪』を・・・『正義』に反する『反逆者』の役を。
 それが、彼らに『明日』を迎えさせるための『儀式』だったから。
 ルルーシュは、ナナリーの言葉を返すように、こう言った。
「では、ダモクレスはどうだ?強制的に人を従わせる、卑劣なシステムではないのか?」
 もし、ナナリーが、それに気付かず、ただ、自分を止めるためだけに、ダモクレスの剣を使うというのなら、それを止めなければならない。
『罪』を負うのは、自分だけでたくさんなのだから。
 しかし、ナナリーは、ルルーシュの想像以上のことを言った。
「ダモクレスは・・・『憎しみ』の象徴になります」
 それは、『ゼロレクイエム』だ。
 ルルーシュは、そう思った。
「『憎しみ』は・・・ここに集めるのです。・・・みんなで『明日』を迎えるためにも」
 ナナリーは、そう言った。

 何ということだ?
 これだけ遠く離れて・・・『敵同士』になってまで、同じことを考えていたというのか?!
 俺たちは!!

 ルルーシュが、『悪』を演じて、集めようとしたのは、世界中の『憎しみ』。
 戦いに明け暮れ、『憎しみ』に彩られた世界が、明るい『未来』(あした)を迎えるためには、その『憎しみ』を消さなければならなかったから。
 だから、ルルーシュは、『ギアス』を使い、世界を混乱に陥れた『代償』として、この身を捧げるつもりだった。
 もう、誰も他の誰かを憎まなくてもいいように。
 世界中の『憎しみ』を自分に集めて。
 ルルーシュは、もう充分だと思った。
 ナナリーは、『ダモクレス』に人々の『憎しみ』を集めようとした。
 そして、その『憎しみの象徴』を自ら行使することによって、その『罪』を着ようとしたのだ。
 誰に命じられたわけでもなく、ナナリー自身の意志で。
 しかし、それでは、ナナリーは、ダモクレスごと消えければならなくなる。
 人々のために・・・『世界』のために、消えなければならなくなる。
 そうしなければ、世界に『明日』は来ないのだから。

 させるものか!
 そんなことには・・・俺が!!

 ルルーシュに、もう『迷い』はなかった。
 右手を振り上げ、ギアスの封印を解く。

「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる」

 愛してる、ナナリー。
 例え、『想い』を返されることがなくても。

「・・・ダモクレスの鍵を渡せ!!」

『憎しみ』の目を向けられることになっても。
 それでも、俺は・・・!

 ルルーシュは、『ギアス』に抗おうとする『妹』に、ゆっくりと歩み寄った。
 その『苦しみ』は、一年前のユーフェミアに似て、誰よりも愛しく感じた。
 共に、生きよう、と言ってくれた愛しい妹。
 共に、死のうとしてくれた、愛しい妹。
 しかし、その『愛』を受けるには、自分はあまりにも多くの人たちを『不幸』に陥れ過ぎた。
 静かに、一歩ずつ歩けば、ナナリーの抵抗が徐々に治まる。
「どうぞ・・・お兄さま」
 ルルーシュは、その場にひざまずき、最愛の妹・ナナリーが掲げた剣を、恭しく受け取った。
「ありがとう・・・愛してる、ナナリー」
 立ち上がったルルーシュに残されたのは、冷たく硬い仮面だけ。
 背後に、ナナリーの怒号を聞きながら、ルルーシュは庭園を去った。
 ただ一度、ナナリーが車椅子から落ちた音に振り返ったが、助けたりはしなかった。
 

 同じころ、爆破したランスロット・アルビオンから、一つの影が躍り出た。
「・・・無傷、というわけには・・・行かなかったか」
 腹部を押さえ、ふらつく足取りで、回廊を進むのは『裏切りの騎士』。
「待ってろ・・・ルルーシュ。君だけに、『罪』を背負わせはしない」

 その時、フレイヤが、再び地表を焼いた。


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| ゼロ・レクイエム(完結) | 15:00 | コメント:0
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