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『コードギアス・反逆のルルーシュ』非公認ファンブログ。二次創作SS(BL・女体化含)、イラスト、R18アリ。 pixivにて他ジャンルで活動中★

黒猫皇子と白狼騎士

ゼロ・レクイエム・その11 | main | ゼロ・レクイエム・その9.5
ゼロ・レクイエム・その10
スザクが、ルルーシュとした『約束』は、ナナリーを守ることだった。
かつては、反古にしたはずの『約束』は、再びスザクに圧し掛かる。
しかし、それは、スザクにとって『好都合』となるはずだったのだ。
ナナリーが、まだ、自分の目で『世界』を視ず、人の助けがなければ
生きてはいけないのであれば・・・。
自分の力で生きようとしてるナナリーに、喜びと同時に落胆を覚える
スザク。
そして、刻一刻と『約束の日』が近づいていた。。。

※ このお話は、R18要素を含みます。
  ニガテな方、18歳未満の方は、ご注意ください。
  大丈夫な方のみ、続きをご覧くださいませv

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ゼロ・レクイエム(10)

「・・・誰ですか?」
 薄暗い牢の前に佇む男に、ナナリーは訊ねた。
 男は、何も答えずに、こちらを見つめている。
 知らない顔だった。
 いや、八年間、闇に閉ざされた世界で生きてきたナナリーにとっては、知っている顔の方が少ないだろう。
 わざわざ、こんな場所へ来るくらいだから、向こうは、こちらのことを知っているのかもしれない。
 しかし、それなりの身分を持つ者が身に付けるマントを羽織った男は、何も話さなかった。
「私を知っている方ですか?・・・卑怯でしょう、こんな処へ繋いでおきながら、ただ見ているだけなんてっ」
 ナナリーは、イライラを募らせ、男を罵り始める。
 男は、少しだけ肩を落とすと、一歩前へ出た。
 よく見れば、男は、まだ少年から青年の域へようやく差し掛かったぐらいの顔をしていた。
 ちょうど、ナナリーの兄・ルルーシュと同じくらいの・・・。
 ナナリーは、たまらず、叫んだ。
「スザクさんですね?!」
 それは、ただの勘みたいなものだったが、ナナリーには、そう思えた。
 男は、少し驚いたような表情を見せたが、ナナリーの言葉に応える。
「・・・よくわかったね」
「やっぱり!」
 その声は、間違いない、スザクのものだった。
 いつも、自分に話しかけるときとは少し違う、よそ行きの声。
 しかし、間違うはずがない。
「スザクさんなのですね?! あなたまで、お兄さまと一緒になって、私に・・・皆さまに酷いことをっ」
 出来れば、こんな形で、スザクの顔を見たくはなかった。
 何故なら、スザクは、ナナリーが兄弟以外で、初めて出逢った歳が近い異性。
 自然と、その意識は、恋の卵のようなものがあり、以前、スザクがユーフェミアの騎士となったときも、嬉しいのと同時に、少々残念な気持ちも覚えたものだ。
 結局、その後、ユーフェミアを喪ったスザクに、ナナリーは何も言えず、淡い想いは、胸の中へ仕舞われるようになっていたが・・・。
 スザクは、ナナリーの言葉に、こう答えた。
「・・・今さら、詫びは入れない。ただ・・・これから起こることで、何があっても、驚かないで欲しい」
「これから・・・起こること?」
 ナナリーは、本当は、スザクの弁明など聞きたくもなかったが、スザクが発した言葉は、ナナリーの予想の斜め上をいくもので、思わず、オウム返しに訊いてしまう。
 スザクは、首を横に振ると、こう答えた。
「今は、言えない。・・・でも『明日』を迎えるために、必要なことだから」
「必要なことなら、何をしてもいいというのですか?」
 ナナリーは、どこまでも勝手な幼なじみに、きつい口調になる。
 スザクは、困ったように相好を崩すと、こうごちた。
「僕だって、ルルーシュがしてきたこと・・・これからしようとしていることの、全てが正しいとは思わない」
「だったら・・・!」
「でも、ルルーシュは、全てを懸けて、『約束』を果たすために動いている。・・・それを信じたい」
 ナナリーは、解からなかった。
 いや、解かりたくなかった。
 ルルーシュが『ゼロ』というのなら、スザクが護るはずだったユーフェミアは、ルルーシュに殺されたのだ。
 そして、スザクは、その『ゼロ』を捕まえた功績で、ラウンズの地位を手に入れた。
 そのスザクが、いくら『友だち』だったとはいえ、そう簡単にルルーシュに従うようには思えない。
『ギアス』という線も考えたが、今のスザクを見る限りでは、操られている者が、ルルーシュに対して、こんな評価を下すようには思えない。
 だとすれば、スザクは、自分の意志で、ルルーシュに従っていることになるのだろう。
 その理由が、『約束』というものだろうか?
 どちらにしろ、ギアスの力で『世界』を手中に収めようとしているルルーシュとする『約束』など、ろくなものであるはずがない。
 ナナリーは、大好きだったはずの兄とスザクに、そんなことを想う自分に、深く傷付いた。
 胸の奥に、鋭利な刃物で削られた部分があって、そこが止まることの無い血を流している。
 ナナリーは、こんな『人殺し』の前で泣くものか、と唇を噛み締めた。
 スザクは、ナナリーが何も言わなくなると、そっとため息を漏らし、こう告げた。
「・・・悪逆皇帝・ルルーシュの世は、長くは続かない。・・・そして、僕は、僕の『約束』を果たす」
 どういうことだろうか?
 ナナリーは、スザクの言葉に、疑問を覚えた。
 スザクは、ルルーシュの世が長く続かないことを知っていて、ルルーシュに従ったというのだろうか?
 だとしたら・・・。
 辻褄が合わないことだらけだ。
「スザクさんなら・・・お兄さまを止めてくださるんだと思っていました」
 ナナリーは、ポツリと呟いた。
「でも・・・誰かに頼っているばかりの私では、何も出来ないままの私では、またお兄さまは私の前から居なくなってしまう・・・だから」
 ナナリーは、自分が動いた理由を、ポツリポツリと語り始める。
 もちろん、これだけが全ての理由ではなかったが。
 スザクは、優しい・・・きっと、かつて『幼なじみ』として側に居てくれたときは、こんな表情をしてくれていたのだろう・・・顔で、ナナリーの言葉に応えた。
「ナナリー・・・君は、もう前を向いて、歩いているね」
 そこまで言ったスザクは、急に厳しい表情になり、こう付け加えた。
「でも、だからこそ、君では、もう、ルルーシュを止めることは出来ないんだ・・・」
 相変わらず、スザクが言っていることは、ナナリーにはさっぱり解からなかったが、自分とスザク、そしてルルーシュは、もう二度と『三人』に戻れないことは、今のナナリーにも解かった。


 薄暗い回廊を、スザクは歩いていた。
 自分は、『ゼロ』となって、悪逆皇帝・ルルーシュを倒さなければならない。
 皆の見ている前で・・・。
 ルルーシュは、玉座の前で、スザクに『ゼロ』の仮面を渡した。
 彼は、『願い』とは『ギアス』に似ている、と言った。
 自分で出来ないことを、他の人に求める―――。
 それが、ルルーシュの『絶対遵守』の力。

 ならば、自分がかけられた『ギアス』は?
 ユーフェミアがかけられた『ギアス』は?

 ルルーシュが言ったことが本当なら、ユーフェミアは、ルルーシュの『日本人を殺せ』という『願い』を聴いたことになる。
 そして、式根島で『命令違反』を犯した自分は、ルルーシュの『生きろ』という『願い』を・・・!
「ハッ・・・ハハハハッ」
 そこまで考えて、スザクは、渇いた声を立てて笑った。
「バカは、君の方だよ、ルルーシュ・・・」
 スザクは、ひとりごちた。
 ルルーシュは、よく、スザクの頭で考えるより先に身体が動くこと、スザクが何の得にもならないことに一生懸命になることを指して、『バカ』という言うことがあった。
 しかし、自分はどうなのだ?
 あの時・・・ルルーシュは・・・『ゼロ』は、自分を・・・『枢木スザク』を仲間にしようとしていたではないか。
 ならば、それを願えば・・・『ギアス』を使えばよかったではないか。
 ユーフェミアに、日本人を殺せ、と命じたように。
 なのに、ギリギリまでそれを使おうとせず、ただ『生きろ』とだけギアスをかける。
 まるで。
 まるで、今の自分と同じじゃないか。
 あの時のルルーシュは。
 ならば。
「生きろ・・・生きるんだ、ルルーシュ。・・・それが、僕に『生きろ』と命じた代償・・・ううん、違う。それが、僕のたった一つの『願い』なんだ」
 スザクの心に、もう迷いはなかった。


 その日は、神聖・ブリタニア帝国・第九十九代皇帝・ルルーシュが、初めて世界に君臨する者として人々の前に、姿を現す日だった。
 ルルーシュは、この日のために用意させた玉座に座り、自分を憎しみの目で見つめる群集を一瞥した。
 玉座の前は、急な傾斜になっており、その下には、ルルーシュ自らが捕えた妹・ナナリーが繋がれている。
 そして、その更に前方には、シュナイゼルを拘束し、警備としてジェレミアを配置。
 皇帝・ルルーシュが進む道の両脇に、黒の騎士団の幹部だった者たちが拘束されていた。
 これから行なわれる『公開処刑』のために。
 ルルーシュは、真っ直ぐ前方を見据え、偽りの凱旋を突き進む。
 やがて、ルルーシュが進む道の前方に、一つの黒い影が立ちはだかった。
『ゼロ』だ。
 ルルーシュは、自分の計画通りに現れてくれた『ゼロ』・・・スザクの姿を認めると、最後の演技を始める。
 死んだはずの『ゼロ』が、自分の前に現れたのだ、それ相応の対応を取らねばなるまい。
 そして、銃弾を走ってよけるなどという、『本物のゼロ』ならば、決して出来ないであろう奇跡の体術を皆に見せつけたスザクは、現存するルルーシュの部下の中では、最も優れているはずのジェレミアを踏み台にし、玉座の前まで一気に駆け上がった。
 ルルーシュは、思った。

 もっと早く、お前と手を組めていたのならな・・・。

 違う『道』を探せたのかもしれない。
 しかし、それはルルーシュにとっては、取り戻せない『過去』の話だった。
 ユーフェミアを殺したときから・・・いや、スザクと敵対したときから、いつかこうなる瞬間を待っていたのかもしれない。
 自分は、『憎しみ』を糧に生きてきた。
 母を・・・妹を見捨てた『皇帝』への『憎しみ』。
 二人を守ることもできず、ただ震えていただけの『自分』への憎しみ。
 そして、自分たちがいるにも関わらず、日本に戦争を仕掛けた『ブリタニア』への憎しみ。
『怒り』と『憎しみ』しか持たない自分は、『希望』という名の『ゼロ』によって消されるのが相応しい。
 そう思った。
「痴れ者めっ」
 皇帝・ルルーシュは、最後まで威厳を失わず、懐に忍ばせた銃を取り出す。
 しかし、その拳銃も、構える前に、『ゼロ』の剣に弾かれた。
 相変わらず、身体を使うことに関しては、自分の一歩も二歩も先を行くスザクは、『ゼロ』としての『役目』を充分に果たしてくれるだろう。
 ルルーシュは、知らず、笑みを浮かべていた。

 これで、世界は、救われる―――。

『ゼロ』の剣が、自分の身体を貫くのを、ルルーシュは、黙って受け入れた。
 そして、急速な寒気とめまいが、ルルーシュを襲った。
「ル・・・ルルーシュ・・・」
「スザク・・・これは、お前にとっても『罰』だ・・・」
 ルルーシュは、自分を刺し貫いた男の肩に頭を預けて言った。
「お前は・・・『正義の味方』として、仮面を被り続ける・・・枢木スザクとして生きることは・・・もうない。・・・人並みの『幸せ』も全て『世界』に捧げてもらう・・・永遠に」
 それが、ルルーシュがスザクにした『約束』の形だった。
 ゼロを正義の味方とした『ウソ』を本当にし、戦争を終わらせる。
『枢木』の名を憎んでいたスザクから、枢木スザクの名を奪い、さらには、生きるための理由・・・『罰』を与えることによって、スザクは、これからも生きていける。
 ルルーシュは、そう思った。

『全て』を叶えるため。
 そのために、自らの『命』が必要ならば、喜んで差し出そう。

 あとは、スザクが、ナナリーを守ってくれればいい。
 自分が居なくなったあとも、スザクが側に居れば、ナナリーは生きていける。
 ルルーシュの計算でいけば、そうなるはずだ。

 困ったな・・・もう何もすることがない。

 ルルーシュがそう思ったとき、仮面越しに、スザクの声が聞こえた。
「・・・悪いけど、君の『願い』は叶えられない」
 何故、と思ったときには、自身を貫いていた剣は抜かれ、重い身体は、玉座の前にある傾斜を滑り落ちていた。

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| ゼロ・レクイエム(完結) | 17:00 | コメント:0
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