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『コードギアス・反逆のルルーシュ』非公認ファンブログ。二次創作SS(BL・女体化含)、イラスト、R18アリ。 pixivにて他ジャンルで活動中★

黒猫皇子と白狼騎士

ゼロ・レクイエム・その12(完結) | main | ゼロ・レクイエム・その10
ゼロ・レクイエム・その11
いよいよ(?)クライマックスです。
こちらのルルーシュは、自分が起こした行動の『結果』を
突きつけられます。
ある意味、それは、本編より残酷なことかもしれません。
でも、以前、何かの感想記事で書いた通り、自分を理解し、
傍らで支えてくれる人が一人でもいれば、それは乗り越えられる
ものだと思います。
そして、その先にこそ、『幸せ』が待っているんだと思います。
私は、ルルーシュに『生きて』幸せになってもらいたかった。
例え、それが『世界』の事象を捻じ曲げてしまうことでも。。。
それが、このお話の主題です。

※ このお話は、R18要素を含みます。
  ニガテな方、18歳未満の方は、ご注意ください。
  大丈夫な方のみ、続きをご覧くださいませv

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ゼロ・レクイエム(11)

 遠くで、自分を呼ぶ声が聞こえる。

「お兄さま・・・?」

 それは、あたたかく懐かしい声。
 決して向けられることのない、都合のいい『幻聴』。

「お兄さまっ!愛しています!!」

 ルルーシュは、最期の力を振り絞り、その幻聴に応えた。

「あぁ・・・」

 理解されようとは思わない。
 それだけのことをしてきたのだから。
 赦して欲しいなどとは思わない。
 それだけの『罪』を犯したのだから。
 だから、ルルーシュは、自分がした決意のみを、その口に乗せ、最期の言葉にした。

「・・・俺は・・・世界を・・・壊し・・・世界を・・・造る」

 もう、目を開けていることすら、適わなかった。
 あの時感じた悪寒は、完全にルルーシュの身体の自由を奪い、細めた瞳に映った青空は、世界が変わったことを告げていた。
 そして、泣きながら、自分の右手を握りしめる最愛の妹・・・。

 ――― ナナリー?!

 そうだ。
 何かがおかしい。
 ナナリーは、自分に裏切られ、自分を憎んでいるはずではなかったのか?
 あの時、スザクが、自分に裏切られたことを知ったとき、自分の存在を否定したように。
 憎むはずではなかったのか?
 なのに・・・!

「お兄さまっ・・・いやっ・・・目を開けてくださいっ・・・お兄さまっ・・・お兄さまぁっ!!」

 このぬくもりが、この言葉が、幻覚であるはずがない!
 ルルーシュは、まるで、自分の『死』を悼んでくれているかのような妹の声に、先ほどのスザクの言葉を思い出した。

「君の『願い』は叶えられない」

 どういうことだろうか?
 全て、計算通りだったではなかったのか?
 ルルーシュは、妹のナナリーすら、自らの『駒』として利用し、裏切ったのだ、と。
 そう、ナナリーは思ったはずではなかったのか?!
 だから、『悪魔』と罵ったのではなかったのか?!

「ルルーシュ・・・私は、お兄さまだけでよかったのにっ・・・お兄さまの居ない『明日』なんて・・・っ・・・そんなのっ・・・!」

 なのに、この自分の予想を裏切る、ナナリーの言葉は何だ?!
 自分の遥か上方では、スザクが扮した『ゼロ』が人々の支持を集めている。
 鳴り止まぬ『ゼロ』コール。
 これが、自分が望んだ『結果』であるはずなのに、どうして、そこにナナリーが居ない?!
 いや、そうではない。
 何故、死んだはずの自分が、それを『聴いて』いるのだ?
 死ねば、何も聞こえるはずなどないのに!!
 少なくとも、ルルーシュは、そう思っていた。
 理屈で説明が付かない、自分で確かめたことのない『死後の世界』や魂の存在を、つい最近まで信じていなかったルルーシュだ。
『ギアス』という超常の力を手にし、『Cの世界』というものを見せられてもなお、自分が死後も『現実世界』を観ることが出来るなどとは思っていない。
 それが、ルルーシュの考えだった。
 それに、これでは、観ているのではなく、聞かされているだけではないか!

 ならば、自分は生きているのか?

 ルルーシュは、必死に考えた。
 もし、生きていないのならば、考えることが出来ること自体がおかしい。
 自分の論理的思考は、意識がある間は考えることをやめることは出来ず、唯一、それを休めるときがあるとすれば、スザクとの情事の最中くらいだ。
 その自分が、この状況をおかしい、と考えることが出来るのも、スザクが言った言葉を疑問に思うことが出来るのも、意識があるからなのだ。
 だから、意識はあるのだ、多分。
 目の前が真っ暗で、身体中のどこも自由が利かなかったとしても。
 ナナリーは、小さな子供のように、自分の上で泣きじゃくると、胸の上に突っ伏した。
 幼いころ、ナナリーが泣いたとき、それを慰めるのは、優しかった母やユーフェミアの役目だった。
 日本へ来てからは、その役目が自分になり、スザクがしてくれることもあった。
 やがて、ナナリーは、あまり人前では泣かなくなった。

 ・・・どうする?

 ナナリーの頭を撫でてやりたくとも、もう左手すら自由に動かせない。
 泣いているナナリーを慰めることすら出来ない。
 どうして、こんなにも自分は『無力』なのだ?
 肝心なときに、何も出来ない。


 やがて、ひとしきりの『ゼロ』コールが止むと、傾斜を下る音がし、『ゼロ』が自分の前に立ったようだった。
 そして、ルルーシュは、信じられないものを聴くことになった。
「スザクさんですね?・・・これが、あなたとお兄さまの『約束』ですか?・・・どうしてっ・・・なんて酷いっ」
 それは、アッシュフォード学園の中庭で、ダモクレスの庭園で、ルルーシュが浴びせられた言葉に、よく似ていた。

 何故だ?
 何故、計算通りに行かない?!
 責められるべきは、自分であって、スザクではない。
 ナナリー、止めてくれ!
 スザクは、俺の『願い』を叶えようとしてくれただけなんだ!!
 責を負うのは、俺であって、『ゼロ』になったスザクじゃない!!

 なのに、ルルーシュは、その残酷な場面を止めることは適わず、ナナリーの声だけを聴いていた。
「私が・・・ユフィお姉さまが、こんな『明日』を望むとでも?・・・そう仰りたいのですか?!」
 ナナリーは、物言わぬ仮面に向かい、明らかに仮面の下のスザクに問いかけていた。
 スザクは、答えない。
 答えることが出来ない。
 何故なら、それをしてしまえば、『枢木スザク』が生きていることを、皆の前で証明してしまうからだ。
 ナナリーは、哀しみで言葉を詰まらせながらも、スザクを責めることをやめなかった。
「・・・私は、ただ、お兄さまが側で笑ってくれれば・・・それだけで良かったんです。・・・お兄さまの『罪』も『罰』も、共に受けても構わないって・・・そう思ってました・・・なのにっ・・・この『人殺し』!!お兄さまを返して!!返してよぉ!!」
 一度は泣き止んだはずのナナリーが、再び嗚咽を漏らす。
 ルルーシュは、何も見えず、何も出来ずに、その声だけを聴いていた。
 知っていた。
 ルルーシュは、ナナリーの『想い』を知っていた。
 ダモクレスに『憎しみ』を集める、と言ったとき、自分の『ギアス』に逆らおうとしたとき、ナナリーが、自分が背負うべき『罪』を共に被ろうとしていたことを。
 だからこそ、ルルーシュは、ナナリーを拒まなければならなかったのだ。
 ルルーシュがスザクと共に築いた『世界』は、本来なら、ナナリーのためにあるべきだった『世界』だったから。
 辺りが、人質の解放の歓喜と、その後始末の喧騒で騒がしい中、ルルーシュを取り巻く『世界』だけが、切り取られたかのように、『哀しみ』に満ち溢れていた。
 そんな中、『ゼロ』の声が、静かに響いた。
「ルルーシュ・・・これが、君がした行動の『結果』だ。・・・君の願いは叶わない。・・・哀しみを消さなければ、憎しみの連鎖は止まらない」

 ならば、どうすれば良かった、というのだ?!
 こうするより他に、世界から戦争を・・・憎しみを消す方法なんかなかったはずだ!!

 ルルーシュは、声にならない叫びを上げた。
 なのに、思い通りにならない身体では、叫び声一つ上げることは出来ない。
 ひゅうっと息が抜ける音がするばかりだ。

 ・・・待てよ?

 ルルーシュが疑問に思うのと、ナナリーが声を上げるのは、同時だった。
「お・・・兄さま・・・?」
 今、はっきりと、自分の身体が立てた音を聴くことが出来た。
 そして、その『音』は、ナナリーにも聞こえたみたいだった。
 だとすれば。
「ルルーシュ・・・今、君が考えていることを、当ててみせようか?」
『ゼロ』の声が、ルルーシュの耳に届く。
 スザクらしからぬ発言に、ルルーシュは、息を呑む想いで、それを聴いた。
「生きたい」
 それは、願ってはならないことだった。
 人々に『ギアス』をかける『代償』として、ルルーシュが支払ったのは、自らの『命』。
 だから。
「『生きたい』と願っただろう?・・・心から!」
『ゼロ』が、そう叫ぶ。

 駄目だ!
 それだけは、願ってはならない!!

 ルルーシュが、それを拒絶しようとする。
「お兄さま?・・・返事をしてっ」
 ナナリーが、自分を呼ぶ。
「生きろ、ルルーシュ!・・・それが、『哀しみ』を消す唯一の方法だ!!」
 スザクが、そう叫んだ。
 ルルーシュは、思った。

 今さら、自分が『生』を望んだところで、誰がそれを受け入れてくれるのだろう?
 ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアは、『憎しみ』で出来ている。
 自らの『憎しみ』に溺れ、世界の・・・人々の『憎しみ』を集め、この身を滅ぼすことでしか、『願い』を叶えることが出来ない。
 なのに。
 なのに、そんな自分が、のうのうと生き延びていいのか?

「お兄さまっ!!」
 ナナリーが、自分を呼ぶ。
「・・・私が、共に生きます! お兄さまと!! いいえっ・・・スザクさんも、C.C.さんも、ミレイさんも、リヴァルさんも、カレンさんも、ニーナさんだって・・・! お兄さまは、独りじゃありません! だから、生きることを諦めないでっ! お兄さま!!」
「・・・ナ・・・ナリー・・・」
 ルルーシュは、酷くしわがれた声で、最愛の妹の名を呼んだ。


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