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『コードギアス・反逆のルルーシュ』非公認ファンブログ。二次創作SS(BL・女体化含)、イラスト、R18アリ。 pixivにて他ジャンルで活動中★

黒猫皇子と白狼騎士

踊り子ルルたん♪ | main | ランペルージ家のお正月♪
ホットいちごみるくの夜。
久々のスザルル読切です。
・・・ホントは、こういう短編ネタも、ホイホイ創っていきたいのですが
ありがちネタだと、他のサイトさんで読んで満足してしまうので(汗
中~長編モノばかり書いてますね。。。

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ホットいちごみるくの夜

 雲一つない、晴天。
 トウキョウ租界にある公園は、夜になると人の数も少なく、閑散としている。
 スザクは、さっきから、空を見上げて動かないルルーシュに付き合い、星たちを眺めていた。
 都会の夜空は、星がほとんど見えない、というが、これくらい空気が澄んでいるときは、それでも明るい星くらいは見えるのだ。
 まだ日本が平和だったころ、プラネタリウムで教えてもらった星座くらいしか知らないスザクにしてみれば、実家の神社で見た星空は、はっきり言って、別のものに見えてしまう。
 だから、これくらいでいいのだ。
 南天の空にあるのがオリオン座で、ひと際明るい星を持つのが、おおくま座。
 明るい星たちを辿って、簡単に冬の星座を作ったスザクは、傍らに立つルルーシュの頬を両手で包み込む。
「・・・冷たいぞ、スザク」
 低く、フキゲンな声が聞こえたのは、スザクが、手袋をしていなかったせい。
 吐く息が白い外では、何の防寒もしていない素肌など、簡単に冷たくなってしまうのだ。
 しかし、いつもなら、手袋をしろだの、マフラーはどうしただの、口うるさい幼なじみは、そう言っただけで、何も言おうとはしない。
 ただ、黙って、星空を見上げていた。
 スザクは、何も言わないルルーシュにしびれをきたし、その手を、下へと滑らし、今度は、ルルーシュの首筋を触る。
「・・・あ」
と、小さく漏れた声は、どこか官能的な響きを持って、スザクの耳へと届いた。
「ねぇ、ルルーシュ。寒くない?」
 スザクは、ルルーシュの顔が、自分の方を向くと、そう訊ねた。
「寒いのは、お前だろう?」
 ルルーシュが、短く返す。
 親友の言葉が、小憎らしいのは、ずっと以前からの話で、スザクは、素直に自分の言葉に頷くルルーシュというのを、あまり見たことがない。
 どちらかといえば、人好きのする受け答えは、スザクの方が上手だったが、いざというときの頑固さは、ルルーシュに負けてはいなかった。
「ううん、ルルーシュの頬だって、真っ赤だよ?」
 外気に当たったせいか、涼やかな顔は、どこか赤みを帯びている。
 これが、本当に真っ白になってしまったときが、ルルーシュが冷え込んでしまった証となるだろう。
 日頃から鍛えているスザクと違い、夜更かしや無理を平気でするルルーシュは、何かと疲れやすい。
 体力は、同年代の女子の平均並みしかないし、身体の筋肉だって、脱がなければ判らないほどだ。
 あと十分もここに居れば、翌朝には、カゼをひいてしまうだろう。
 スザクは、まだここに居るつもりらしいルルーシュに、何か温かいものを、と思った。
 視線をそらせば、そこには、自動販売機がある。
「何か買ってくるよ」
 そう言って、ルルーシュから手を離せば、形のよい唇が、どこか歪められたような気がした。
 ルルーシュが、何を言おうとしたのか、少しだけ気になったが、今は、自動販売機で、ジュースを買うことが先決だ。
 スザクは、あえて問い質そうとはせず、自動販売機へと小走りで向かうと、コインを入れた。
 HOTと表示がある飲み物の中から、自分は、コーヒーを、そして、ルルーシュには、もっと身体が温まる飲み物を、と吟味する。
「コーヒーって、確か、余計に身体が冷えるって、セシルさんが言ってたっけ・・・」
 スザクより、少し年上の上官は、面倒見がよく、何かとスザクの世話をしてくれる。
 独創的な料理の差し入れだけは、カンベンしてもらいたかったが、そのほかの、健康や生活を気遣った言葉は、スザクも感謝をしていた。
 そして、紅茶にココア、ホットミルク・・・と、ルルーシュに渡す飲み物を選んでいると、ふと、可愛らしいボタンが目に留まる。
「いちごみるく・・・ホットで?」
 正直、あまり食べ物や飲み物に詳しい方ではないスザクは、いちごみるくとは、紙パックに入っていて、コンビニとか自動販売機でも冷たい飲み物のコーナーにあるものとばかり思っていた。
 たまに、何だかよく分からない飲み物が、自動販売機で売られていることもあるようだが、これも、その類だろうか?
 スザクは、そんな失礼なことを思い浮かべながら、ボタンを押す指を止めた。
 しかし、ほんのりと淡いピンク色をした飲み物は、ルルーシュに似合いそうな気がする。
 もし、美味しくなかったら、また買えばいいんだし・・・。
 スザクは、当初の目的を忘れ、ホットのいちごみるくのボタンを押した。
 紙コップが落ちる音がして、ランプが点灯する。
 そして、注ぎ終わりのランプが点滅すると、スザクは、紙コップを取り出し、ルルーシュの元へと戻った。
「・・・遅い☆」
 さっきまで、空を見上げるのに夢中だった親友は、スザクが戻るのを待っていたらしい、そんな言葉を吐いて、紙コップを受け取った。
 思った通り、淡いピンク色の液体が温かいことに、眉をひそめる。
「・・・美味しいと思うよ、多分」
「・・・多分とは何だ?多分とは」
 こんな得体の知れないモノを飲ますのか、といった風に切り替えしたルルーシュは、それでも、身体は冷え切っていたらしく、両手で紙コップを包み込むようにして持つと、いちごみるくに口を付ける。
 そして、おそるおそる・・・といった感じで中身を飲むと、溜めていたらしい息を吐き出した。
「・・・どう?」
 自分で買っておいて、その味を知らないスザクも、ルルーシュの感想をおそるおそる訊く。
 ルルーシュは、ひと口だけしか飲んでいない紙コップを、スザクに差し出すと、こう言った。
「子供だましのストロベリー香料だな。匂いだけいちごで、甘ったるい。・・・だが、悪くはない」
 最後の言葉は、買ってきてくれたスザクへの思いやりだろうか、それにしては、飲み物に対する批評は厳しい。
 スザクは、苦笑を浮かべると、自分のコーヒーと、ルルーシュが返したいちごみるくとを取り替える。
 スザクも、ルルーシュに習って、ひと口だけいちごみるくを飲んでみた。
 すると、温かくなったせいだろうか、いつもよりいちごの香りがきついような気がする。
 でも、決して美味しくはないはずのそれが、スザクは、何となく嫌な気はしなかった。
 もうひと口、と口をつけようとすると、ルルーシュに手を掴まれる。
「え?」
 何事か、と思えば、ルルーシュは、面白くなさそうな顔をして、こう言った。
「・・・無理して飲まなくていいぞ」
 ルルーシュは、半分も飲んでいないコーヒーを返し、スザクから、いちごみるくを取り上げる。
「・・・えっと・・・これは・・・」
 スザクは、意味不明の親友の行動に、疑問符を浮かべながら、返されたコーヒーに口を付けた。
 いつもより苦い、コーヒーの味。
 不意に、ルルーシュが持っているいちごみるくが、気になって仕方がなくなった。
 しかし、ルルーシュは、そ知らぬ顔して、いちごみるくに再挑戦をしている。
 今度は、ひと口でやめるつもりはないらしい。
「ねぇ、ルルーシュ」
 もしも、今、スザクが思っていることが、さっきのルルーシュと同じなら。
 スザクは、ん、と相槌だけを打ったルルーシュに、もう一度呼びかける。
「ルルーシュ」
「・・・何だ?」
「・・・苦いより、甘い方がいいんだ」
 今度は、飲む手を止めてくれるように。
 スザクは、コーヒーを持ったまま、ルルーシュの紙コップに手を添えた。
「・・・ワガママな奴だな」
 ルルーシュの顔が、仕方がないな、という感じに綻ばされる。
「でも、ルルーシュもそうなんだろう?」
 そう切り返してやれば。
「うるさい。これは、お前が俺に、買ってくれたんだろう?」
と、つれない言葉が返って来た。

 本当は、解かっているくせに。

「いいよ、だったら、ルルーシュからもらう」
 スザクを無視して再び飲み始めたルルーシュの横から、紙コップに口を近づければ、注意が逸れたコーヒーが、手からこぼれた。
「・・・あっ!」
 思わず上がった声を無視して、スザクは、ルルーシュから紙コップごといちごみるくを取り上げる。
 地面に落ちたコーヒーの紙コップは、ころころ転がって、茶色い液体を撒き散らした。

 清掃係さん、ごめんなさい。
 コーヒーの紙コップは、あとで片付けるから。

 スザクは、心の中でそう謝ると、まだ落ちた紙コップを気にしているルルーシュを引き寄せた。
「・・・あのさ、二人でひっつけば、もっと温かくなるんじゃないかな?」
「よせよ、気持ち悪い」
 憎まれ口は、相変わらずなのに、ルルーシュの顔は、嫌がっているようには見えなかった。
 スザクは、それを同意と取って、親友を抱きしめる。
 幼なじみで、親友で、想い人。
 その日のキスは、いちごみるくの味だった。

(おわり)

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| スザルルSS | 23:30 | コメント:0
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